この記事を読むのに必要な時間は約 10 分です。
今回は、ディーンの元カノさんが出て来るお話でした。
原題は「Route 666」でそのままです。
ネタバレも含みますので、ご注意ください。
あらすじと感想は、たたんで最後の方に置いています。
ミズーリ州へ
今回の舞台となるのはミズーリ州のケープ・ジラードーというところ。
この辺りです。
元々はペンシルベニアに行こうとしていたみたいですが、ディーンの「昔の知り合い」から連絡が来たことで行き先変更です。
地図で見ると分かる通り、結構内陸部にある都市のように見えるのですが、重要な港町として知られています。
それというのもミシシッピ川に面しているからなのですが、川があるからと言って港町になるなんて、日本では聞いたことがありません。
国土の広さの違いなのでしょうか。
開拓当時の雰囲気も強く残っていることで知られ、みどころの多い町のようです。
作中では黒人問題に少し触れられていますが、この町は南北戦争中に「ケープ・ジラルドーの戦い」という戦闘が起こった場所でもあります。
戦闘の規模としては小さく、4000から5000人くらい同士で戦ったようです。
実際には小競り合いが起きた程度で、本格的な戦闘とまではいかなかった様子。
南北戦争では、奴隷制を継続しようという南部とその反対の主張をしていた北部とが戦いました。
「ケープ・ジラルドーの戦い」では南部の軍がミズーリ州へ遠征してきていた中での戦闘で、北部側が勝利しました。
この戦闘の結果が、遠征を終了させるきっかけとなったようです。
ミズーリ州は北部と南部の境界に近く、奴隷州でした。
重要な戦闘が多かった地域でもあり、奴隷解放運動で有名なリンカーンの得票がかなり少なかった州でもあります。
しかし、南北戦争の直前に行われた合衆国脱退の投票では、反対多数という結果が出ています。
奴隷制存続を主張していた南部は合衆国を脱退し、アメリカ連合国を作っているのです。
黒人奴隷問題に関しては、昔から何だか複雑な土地のようなのです。
南北戦争では北部が勝利し、奴隷制もなくなりましたが南部ではその後も根深い差別意識が残っていました。
そういったことをふまえて今回のエピソードを見てみると、南北戦争が終わってからも根深く差別意識が残っていた理由も何となく分かるような、分からないような……。
初のインパラカーチェイス?
インパラは基本的にいつも移動で使うことが多く、インパラ自体で何かするというのはあまりないことです。
第1話でサムが廃屋に突っ込んではいますが。
個人的には、ディーンがインパラを大事にしているので、なかなかインパラを危険にさらすことがないのだと思っています。
しかし、今回の相手はトラックで追い回してきます。
トラックから逃げるなんて、生身ではとても無理です。
当然、インパラで逃げ回ることになりますが、運転するのはディーン。
サムは別の仕事を担当中です。
すでに何人も犠牲になっていますし、車で逃げていた人もやられていますから、ディーンも必死です。
実際には、インパラとトラックの追いかけっこシーンはそこまで長くありません。
それでも、スパナチュを通してインパラファンになった人にとっては、熱い場面なのではないでしょうか。
インパラが他の車とカーチェイスしたことなんて、なかった気がしますので。
夜なので、画面が暗くて見づらいところもありますが、インパラの勇姿を是非見ていただきたいです。
小ネタ
タイトルの由来
今回のタイトルは「ルート666」ですが、これはアメリカ国内の高速道路「ルート66」から来ているようです。
日本語で言うなら国道66号線ですね。
今では廃線になってしまっていますが、地図でこのルートをふわっと再現してみるとこんな感じになります。
実際とは違いますが、ルート66の起点と終点に間の都市を1つ追加し、雰囲気は分かるように指定してあります。
このルート66は、ミズーリ州道14号線がもとになっていて、リンカーンが初めて議員になった時に住んでいたイリノイ州のスプリングフィールドも通っています。
黒人奴隷解放を行ったリンカーンにゆかりの地を通っていることもあり、今回はトラックで追いかけてくる霊が相手ということで、こうなっているのかもしれません。
さらに、「666」はキリスト教では悪魔の数字ですから、ルート66とかけてタイトルにしたのでしょうね。
イリノイの劇場
作中で改築したりすると霊が動き出す、なんていう話がありました。
その時、サムが例として挙げたのが「イリノイの劇場」なんですが……。
調べてみても情報が見つからず。
スパナチュ内だけの創作という可能性もありますが、もし何かご存知の方がいらしたら教えていただきたいです。
すごく細かいことですが、結構気になってます…。
インパラの走行距離
作中、サムの指示で110m走ったら止まることになったディーンですが、インパラの走行距離メーターでこれを測っています。
しかし、メーターはこの時「70098.2」から始まり、ディーンが止まった時は「70100.6」に。
単位についてはマイルなのかどうかがよく分からないですが、マイルだとすると0.068マイルのはずなのです。
これ、どう考えても過ぎているのでは…。
あらすじ
がっつりネタバレなのでたたんでおります。
あらすじなのでさらっとです。
男性が車を運転しているとトラックが現れ、追いかけられて事故を起こしてしまう。
翌日、ディーンの元に昔の友人キャシーから連絡が。
父親が事故死したというキャシーだが、ディーンは彼女が自分に連絡してくるなんて狩りに違いないとサムを説得し、2人でキャシーの元へ。
サムはディーンが狩りのことをキャシーに話したことに驚く。
キャシーに詳しく話を聞くが、まだ悪霊の仕業かどうかがはっきりしない。
その夜、3人目の犠牲者が。
犠牲者は全て黒人であり、キャシーの疑念は強くなる。
それでも市長は全てがただの事故だと信じており、キャシーがもっときちんと調べるように求めても聞かない。
だが、今度は市長が犠牲になってしまう。
白人の市長までが襲われ、何か知っていそうなキャシーの母オードリーを問い詰めると、ようやく事件の全貌が明らかになる。
全てはキャシーの父とオードリーを取り合い、黒人を差別していたサイモンの霊の仕業だったのだ。
彼の遺体の場所を聞き、早速燃やすディーンとサム。
しかし、遺体を焼いただけでは退治できず、サイモンの一部であるトラックも燃やせとサムに指示し、ディーンはインパラに乗り込んでトラックとカーチェイスを始める。
サムはトラックを燃やす方法が分からずに困り果てる。
それでも、サムはすぐにある考えを思いつき、キャシーにある場所を正確に知りたいと連絡する。
その場所をディーンに教え、サイモンをそこまで誘導させる。
サイモンがトラックで突っ込むと、トラックは消えてしまう。
サムが指示した場所は、彼が生きていた頃に火をつけて燃やしたという教会だったのだ。
事件が解決し、キャシーとの別れを惜しみつつもインパラに乗り込むディーン。
兄弟はこうしてまた、旅を続けるのだった。
感想
個人的な感想です。
興味がある方はどうぞ。
ディーンの元カノさんが出て来るということで、まあそういうシーンもあったりします。
結構気の強い女性のようですね。
ディーンが家業のことを話してしまうくらい、強い想いを抱いていた女性ということでサムが色々とちょっかい出していて、ちょっと面白いです。
それはともかく。
今回のお話では、キャシーのお母さんが若気の至りで二股かけていて、そのせいで当時の恋人が揉めて殺してしまった相手が復讐のために…ということなんですが。
ちょっとひどいですね、色々と。
いくら差別していたから、と言って殺して死体ごとトラックを水没させるのはどうなのか、と思わなくもないです。
気持ちはわかりますが、色々とダメでしょう……。
でも、そこで揉めているとお話が進まないので割りとあっさり流された感が。
何というか、黒人への差別って日本にいるとあまり実感がないですし、どれくらいの問題なのかもピンと来ない人も多いと思うのですが、かなりきつい問題ですよね。
長い年月をかけてもなかなか解決しませんし、すごく難しい問題でもあります。
それが原因で、こういった事件が起きたり悪霊化してしまったり、というのは悲しいことです。
スパナチュはたまにこういう民族問題を入れてきますね。
特にシーズン1では多いような気がしました。
それにしても、ディーンも色々大変ですね…。
サムは女運が悪くてなかなか恋が進みませんが、ディーンは自分から一歩引いてるところがあるようにも見えます。
ああ見えて繊細なのかも、とか思ってしまいます。
だからこそ、傷つかないように線引しているのかな、と。
ディーンの意外な一面が見れる初めてのエピソードかな、と思います。
「アンケート/貴方の好きな海外ドラマは?」やってますので良ければご協力ください。 http://kunnecup.com/what-your-favorite-overseas-drama/
Follow Us!