月夜のひまつぶし

【ゲーム・オブ・スローンズ】登場人物解説−バラシオン家−

この記事を読むのに必要な時間は約 22 分です。

ゲーム・オブ・スローンズのバラシオン家について、紹介します。
ウェスタロス、七王国を統治する王家の人々です。
ネタバレは極力避けますが、存在自体がネタバレのような人もいます。
気になる方はご注意ください。
ネタバレ込みの説明は折りたたんでいますので、平気な方だけご覧ください。

バラシオン家について

紋章 金色地に冠を被った黒の牡鹿
標語 氏神は復讐の女神
領地 ストームランド
本拠地 キングズランディング、ストームズエンド、ドラゴンストーン
当主 ロバート・バラシオン
信仰 七神正教

ターガリエン家がナロー・シーを渡って来て、ウェスタロスを征服する戦争を起こした時の将軍の1人が興したのがバラシオン家です。
300年ほどの歴史がありますが、それでも諸名家の中では最も新しいとされています。

狂王エイリスの息子、レイガー・ターガリエンは妻がいながら、ロバート・バラシオンの婚約者であったリアナ・スタークを拉致しました。
このことがきっかけでロバートは反乱を起こし、エイリスを討って玉座についたのです。
これが物語が始まる15年前のこと。
バラシオン家が王家となってから、まだ15年しか経っていないわけです。


ロバートが死に、弟であるスタニスもレンリーも死んで、サーセイが落とし子を皆殺しにしたので、バラシオン家の血を引いているのはジェンドリー以外残っていません。
スタニスには娘がいましたが、宗教にのめり込んだスタニスが火あぶりにしてしまいましたし、ロバートの正統な子とされている3人はラニスターの血しか引いていませんし、それも3人とも死んでいます。
ロバートがサーセイと結婚したばかりに、バラシオン家は絶えかけているとも言えるわけです。

ロバート・バラシオン

当主であり、七王国の王。
かつては屈強な戦士でしたが、今ではワインばかり飲んでかなり太ってしまいました。
妻であるサーセイとの関係は冷え切っているのか、自室に娼婦を連れ込んで遊びほうけています。
それでも王としての責務はそれなりに果たしており、国の方針などを決める会議にもきちんと出席しています。

エダード・スタークとは親友であり、最も信頼しています。
ただ、エダードは実直でロバートの耳が痛いことも言うので、時に衝突することも。
妻サーセイの双子の弟は、前王の頃に任命された王の盾でありその前王を殺したキングスレイヤーですが、そのままの役職においています。


恋い焦がれていた女性と婚約できて喜んでいたら、その女性は拉致されて死んでしまい、裕福なラニスター家から美人の奥さんをもらったと思ったら、その奥さんは双子の弟と関係を持っていて自分の子供は実は全員その弟との子供だった、というある意味すごく可哀想な人です。
挙句の果てには、浮気がばれそうになった奥さん、つまりはサーセイに殺されますし。
色んな所で作ってきた落とし子も、サーセイの命で1人を残して全滅。
弟達は王位をめぐって争い、二人共死んでしまいますし、信頼していたネッドに色々託したのにそのネッドも処刑され、自分が築いてきた全てをサーセイに全部壊されたと言えるかもしれません。
そもそもは、サーセイがジェイミーと関係を持たなければ、こんなことにはなっていないのですから。
とは言え、彼も愚鈍というわけではなさそうなので、もしかしたら薄々気付いてはいたのかもしれません。
ただ確証がなかったし、信じたくなかったのかも、なんて思うとまた可哀想な人に思えてきますね。

サーセイ・バラシオン

旧姓はラニスター。
詳しくはラニスター家のサーセイ・ラニスターとして説明しています。
彼女は、バラシオン家に嫁いでからも、ずっとラニスターの人間であったと思います。

ジョフリー・バラシオン

バラシオン王家の王位第一継承者。
長男ですね。
割りと典型的な王子様、という感じの見た目ではないでしょうか。
ロバートによって、戦士としてある程度は厳しく育てられています。
ただ、サーセイが甘やかしているのか、効果のほどは……。
あまりロバートには似ていませんが、若い頃のロバートは正直もう想像がつきません。
いずれ王になる人物であり、ラニスターの血も引いているので、周囲の人は子供相手とは言え、なかなか頭が上がらないでしょう。


ロバートとは似ていないのも当然で、サーセイとジェイミーの子供です。
正直、バラシオン家のところに入れていいのか悩むレベル。
ただまあ、一応はロバートの息子として王位にもつきますので、入れておくしかないかなと。
実に残虐で、狂王と呼ばれたエイリスの再来とも言えそうな王となっていました。
サンサは散々オモチャにされますが、何だかんだで殺そうとはしなかったあたり、実は気に入っていたというか好きだという気持ちがあったのではと思わなくもないです。
性癖が歪みすぎていて、真意が見えづらい人です。
ジョフリーを上手くなだめる術を知っていたのはマージェリーだけでした。
サーセイでさえも持て余し、北部との関係悪化を避けるために殺したくなかったネッドの処刑を勝手に断行しました。
サーセイとは別の意味で権力を持ってはいけないタイプの人間ですね。
ラムゼイとはどっこいどっこいのひどい奴キャラでした。

マージェリーの将来を心配し、ジョフリーの「悪い噂」についてサンサに確認したオレナが、その本性を知ってベイリッシュ公と組んで毒殺。
毒殺された時の演技は素晴らしかったですが、見ていて怖くなります。

トメン・バラシオン

次男。
非常に優しい性格で、正直王に向いているのはこちらなのでは、と思うことも。
外見、内面ともに典型的な王子様タイプではないでしょうか。
ただ、序盤ではまだまだ子供です。


ジョフリー同様、サーセイとジェイミーの子供です。
ジョフリーがどんなにひどいことを言ってティリオンやサンサを傷つけていても、それに乗っかることはありませんでした。
むしろ、一緒に傷ついていたのかもしれません。
自分の兄が周囲の人々を傷つける様子を見て、心を痛めていたのではと思えます。

ジョフリーが毒殺されたことによって、思いがけなく王位を継ぐことになりました。
しかし、まだ子供でタイウィンやサーセイらの傀儡と言えなくもない状態に。
しかも女性への免疫がないせいか、マージェリーに簡単に誘惑されてしまって首ったけに。
最終的には、サーセイとマージェリーの確執にも本当の意味では気付くことなく、サーセイにマージェリーを殺されたことで絶望し、飛び降り自殺。
サーセイの息子とは思えないくらい優しい性格でしたが、それが災いしたとも言えるでしょう。
優しい人は生きにくいのが、キングズランディングなのかもしれません。

個人的に、飛び降りする前に王冠を外していたのが律儀だなとか思ってしまいました。

ミアセラ・バラシオン

長女ですが、ジョフリーからは妹になります。
王女様ですね。
序盤では、トメン同様まだまだ子供。
可愛らしく、将来は美人になりそうです。


こちらも、もちろんサーセイとジェイミーの子。
ティリオンがタイウィンの代理で王の手になっていた時、サーセイに密告している者を突き止めるために利用されました。
それだけではなかったと思いますが、突然マーテル家に送り出されることになって、ちょっと可哀想な気も。
マーテル家はラニスター家に深い恨みがありますから、婚姻によって関係を好転させたいという意図は理解できるんですけれど。
ただ、最初こそ政略結婚で嫌々だったかもしれませんが、結果的には婚約相手と恋に落ちてラブラブに。
本当に可哀想だったのは、その後でした。
結局、マーテル家はティリオンがジョフリーを毒殺したと疑われた時の決闘裁判がきっかけでラニスター家への恨みを深め、サーセイへの脅迫に使われてしまいます。
それで心配したサーセイがジェイミーに奪還を頼みますが、故郷の土を踏む前に毒殺されました。
婚約相手とその父親まで、恨みを晴らさないなんて許せない、と他の家族に殺されてしまうという。
ミアセラも優しい子だったようですし、ひたすら可哀想でした。

スタニス・バラシオン

ロバートの弟。
あまりロバートと仲が良いわけではないようです。
むしろ、自分が統治させてもらえるはずだったバラシオン家本来の本拠地、ストームズエンドをレンリーに与えたロバートに対して、恨んでいた様子。
結局、統治させてもらえることになったのはドラゴンストーンでした。
元々はターガリエン家が統治しており、ロバートが反乱を起こした時にスタニスが攻め落とした城でもあります。


ロバートが亡くなった後、一旦はジョフリーが王位につくことを認めますが、メリサンドルに唆されたようなかたちで反対し始めます。
ジョフリーは不義の子であり、正統な王位継承者は自分であるとして戦を起こしますが、弟のレンリーまで同じことを言い始めたので兄弟で争うことに。
結局、メリサンドルの怪しげな魔術で弟を呪殺しますが、玉座を手に入れることなくラムゼイとの戦に負け、レンリーの仇討ちを誓っていたブライエニーに討たれました。
メリサンドルに従って娘を生贄に捧げてまで王位を求めたのに、残念な結末となってしまいます。

スタニスはレンリーと比べてあまり人望がなく、「こうすべき、こうしなければならない」といった思考の持ち主でした。
真面目というか堅物というか。
サー・ダボスを騎士として取り立てるなど、能力のある人を評価する部分もありましたが、一方で彼を罰するために指を切り落とすなど非情な面もありました。
頑固さゆえに、視野が狭かったと言えるかもしれません。

レンリー・バラシオン

ロバート、スタニスの弟。
しかめつらが多い印象のスタニスと違い、こちらは笑顔の印象のほうが強いです。
個人的な意見ですが。
スタニスがもらうはずだった領地をもらっているんですが、それで特に何か負い目を感じているという様子は見受けられません。
ただ、スタニスより人望があることは確かです。


ロラス・タイレルと秘密の恋人同士でしたが、周囲には公然の秘密も同然でした。
ロラスの妹マージェリーと結婚しますが、床入りすることなくスタニスに暗殺されます。
ブライエニーには実に紳士的に振る舞い、惚れられることに。
気付いていたかどうかは分かりませんが、ロラスに勝ったブライエニーを王の盾に任命。
スタニスよりは王に向いていそうでしたが、かなり早い段階で戦線離脱したので残念でした。

ジェンドリー

落とし子。
キングズランディングの城下で鍛冶屋として修行中です。


ロバートの落とし子で、唯一の生き残りとなる人。
ネッドが王の手に任命されてキングズランディングに来ることになったのは、ジェンドリーが落とし子だと気付き、サーセイとジェイミーの関係にも気付いた前の王の手、アリン公が病に見せかけて殺されたからでした。
ネッドもアリン公の死について調べているうちに、ジェンドリーを見つけてアリン公に何を聞かれたかなどを質問します。
そんなネッドも処刑され、ジェンドリーは「自分に質問した相手には良くないことが起こる」と思うように。
サーセイに追われて逃げ、途中でメリサンドルに捕まって王族の血が必要だからと生贄にされかけ、ダボスに逃がしてもらってようやくブラザーフッドのところで落ち着きました。
何も悪いことしてないのに、ただロバートの落とし子だからという理由で散々な目に遭う人です。
逃げる途中でアリアと知り合い、友人に。

その他のバラシオン家関係者

マージェリー・タイレル

ロラス・タイレルの妹ですが、バラシオン家に嫁いできます。
ただ、この人も嫁いだからといってバラシオン家に染まった感じはないので、タイレル家で詳しく説明したいと思います。

グランド・メイスター・パイセル

医師、薬師、教育係、王家のご意見番などを務めています。
しかし、パイセルは年の割にお盛んで、部屋に娼婦を連れ込むこともしばしば。
本来、王家を教え導く立場であるはずですが……。


サーセイに色々密告するなど、信用できない人物です。
ジェイミーに義手を作ったクァイバーンが少しずつ重用されるようになるのを快く思わず、サーセイに何度も彼のやり方は危険だと進言しますが無視されます。
最終的にはクァイバーンに殺されてしまいました。

ヴァリス

宦官の長。
誰の味方なのかいまいちよく分からない感じの人です。
後々、重要な役割を果たすことに。


ティリオンが処刑される前に逃がした人物です。
今のキングズランディングで正しい政治を行えるのはティリオンだけ、と信じている様子。
デナーリスの元へティリオンを連れて行こうとしますが、途中ではぐれてしまうウッカリさん。
また、彼が余計な気を回しすぎたせいで、ティリオンは愛する人を失ったようなものですが、そういう意図ではなかったのでまあ……。
恐らく、彼はずっとターガリエン家以外を王家と認めてはいなかったんでしょうね。
そのために長い時間をかけ、小鳥達を育てて誰よりも早く情報を得られるようにしたのでは、なんて思います。

ダヴォス・シーワース

サー・ダヴォス。
元々は平民でしたが、密輸業者として有名になり、その交渉能力を駆使して出世、さらにはロバートの反乱の際に兵糧攻めに遭っていたスタニスを救ったことで騎士に。
スタニスは彼の過去の罪を罰するために右手の四本の指を切り落としましたが、ダヴォスはその骨を幸運のお守りとして袋に入れ、首から提げているという不思議な主従。
比較的まともな感覚を持ち、玉ねぎの騎士とも呼ばれています。


スタニスが宗教にのめりこんで暴走してはダヴォスが止め、スタニスに鬱陶しがられるという関係。
スタニスの娘を自分の娘のように可愛がっており、彼女から文字を教えられて読み書きができるようになります。
ブラックウォーターの戦いで息子を失いますが、それでもスタニスが死ぬまで仕えました。
その後は、何故かジョン・スノウに仕えるように。
メリサンドルの言葉も関係しているでしょうが、何か感じるものがあったのでしょう。

メリサンドル

紅の女とも呼ばれ、予言者を自称し怪しげな魔術を使います。
「光の王」という神を信仰し、仕える女司教でもあります。
スタニスの領地へやってきて、彼らに「光の王」を布教します。


スタニスを破滅へと導いたと言っても過言ではない人。
スタニスが王になる、と予言しましたが結局は勘違いだったことが判明。
しかし、それが分かったのはスタニスが何もかも失って、その命も危うくなってからでした。
そしてあっさりスタニスを見捨てて逃げてしまいます。
実際の年齢はかなり上らしく、作中で本来の姿を見せるシーンが一度ありました。

タースのブライエニー

かなりがたいのいい女騎士。
女のくせに、と甘く見られやすいですがその腕前は本物です。
かなり強く、忠義にあつい立派な騎士。
レンリーに仕えています。


ロラス・タイレルに勝ち、本調子ではなかったとは言えジェイミーやハウンドにさえ勝利していますので、かなり強いかと。
レンリーがスタニスに殺された時、スタニスの顔をした黒い影を目撃しますが逃亡。
レンリーの仇討ちを誓いつつもキャトリンを新たな主とし、以降は彼女の命に従ってサンサやアリアを探し、何とか保護しようと努力します。
結局、ラムゼイの軍勢と戦って負け、ボロボロになっていたスタニスを見つけて仇討ちを果たしました。
レンリーには舞踏会の際に救われたことがあり、それから彼を愛していたようです。
一時期、ジェイミーと行動して不思議な絆ができました。

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