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今回の原題は「BUGS」で、虫が苦手な人にとっては、かなりきついエピソードです。
自分も苦手なので非常にきついのですが、舞台となったオクラホマ州や先住民族について見ていきます。
若干のネタバレも含みますので、ご注意ください。
オクラホマ州内を移動する
今回の舞台となるのはオクラホマ州のオアシスプレーンズという町です。
オアシスプレーンズがどこなのか、探してみても見つからないので、とりあえずオクラホマ州の場所を。
地図では、この辺り。
オクラホマ州は、全米のインディアン達を強制移住させるために作られた州だそうです。
そのために、他の州と比べてインディアン保留地がかなり多い、というのが特徴です。
今回のエピソードで先住民族のことが出てくるのは、こういった背景からでしょうか。
農業、石油、天然ガスの生産高が多いのも特徴となっています。
経済の基盤はこれらの他に、バイオテクノロジー、エネルギー、航空機、通信があります。
州の人口全体の6割ほどが、オクラホマシティやタルサ周辺に集中しています。
そんなオクラホマでの調査を始め、手がかりとなりそうな骨を見付けた2人は、どこかの大学らしきところを訪れます。
そこで人類学の教授に教えられ、サパルパへ向かうことになります。
地図ではこの辺り。
オクラホマ州の北東にあります。
ここのダイナーに、ソリティアをしているっぽい先住民族の人がいます。
教授がユーチー族のことを言っていたので、きっとそうなのでしょう。
ユーチー族については後述します。
この人に話を聞く時に、サムがオアシスプレーンズをアトカバレーの近く、と言っています。
アトカバレーは見つけられませんでしたが、アトカはありました。
このように、サパルパからアトカまでは200kmくらい離れています。
人類学の教授は「ここから100kmくらい」と言っていましたが、オアシスプレーンズから大学までの距離が分かりませんので、大学のある場所については分かりません。
ユーチー族や先住民族について
私達がインディアンと聞いてまず思い浮かべるのは、ナバホ族やアパッチ族ではないでしょうか。
ユーチー族と聞いて、すぐに分かる人は日本人にはなかなかいないのではと思います。
私もそうなのですが、色々と調べてみました。
日本語サイトではほとんど情報を見つけられなかったので、英語サイトを翻訳サイトにかけて調べています。
今のユーチー族はオクラホマ州のサパルパに住んでいるので、劇中の話と合致しています。
16世紀頃にはテネシー州に住んでいたそうですが、少しずつ移動していったようです。
18世紀になると、流行病や戦争で多くの人が亡くなりました。
西洋の人々との争いだけでなく、先住民族同士の争いもあったようです。
ユーチー族は部族としてアメリカ政府の認定を得られていないらしく、その理由は多くの子孫達が既に他の部族として認定登録されているからだそうです。
ユーチー族の話していた言語は、他の先住民族のものとは似ていないものだそうです。
しかし、今ではその言語を話せる人は減ってきています。
2011年現在で、第一言語話者が5人まで減っていたということです。
第一言語とは、生まれてから初めて接して習得し、日常的に使用している言語のことを言います。
ある言語の第一言語話者とは、その言語を第一言語として話す人達のことです。
こういった言語の問題は、先住民族に関連して時々聞かれますよね。
日本でも、アイヌ語を第一言語としている人は10人くらいまで減っているそうです。
これらは、消滅の危機に瀕している言語なのです。
先住民族の言葉には、文字がないために書物として遺っているものも多くありません。
アメリカでは、こうした先住民族の問題に対処するため、助成金が出ることもあるようです。
ユーチー族も、この助成金によってユーチー語を教えているのだそうです。
アメリカでのユーチー族の認知度がどのくらいかは分かりません。
ですが、こういった背景を理解した上でこのエピソードを見てみると、メッセージ性も感じられます。
こういった知識は、知らなくても作品を楽しむのには問題ありません。
ただ、知っているとより深く作品を理解したり楽しんだりできるもの、だと思っています。
そんな理由で気になったことを調べ、忘れないために書いているというのもあります。
2人の会話に出てきた、気になる言葉
ディーンとサムの会話では、時々聞き慣れない単語が出てきます。
今回もいくつかそういった言葉があるので、調べてみました。
まずは、2人が話していたネズミを操るウィラードについて。
調べてみたところ2003年のアメリカ映画のことらしいです。
動物パニックものですが、私は見たことありませんでした。
レビューなどはこちらが参考になるかもしれません。
ウィラード – 映画情報・レビュー・評価・あらすじ
どうやらリメイクされた作品のようで、元の映画は1971年公開。
もう1つ、「ラッシーとティミーみたいに」というディーンのセリフがあります。
これは日本でも有名な名犬ラッシーのことです。
日本だとアニメが有名なのではと思いますが、アメリカでは実写ドラマをやっていて、そちらのことを指しています。
確か、日本でも放送されたことがあったはずです。
今回のエピソード全体のこと
個人的に、今回は本当に、とにかく虫がきついです。
コガネムシ、ハチ、クモ、ミミズにシロアリ、名前を言いたくもないGから始まるあの虫まで出てきます。
ただ、これらの虫は自然の象徴なのです。
そして、土地を奪った者達に対しての呪いです。
人から土地を守るためのものですから、自然災害を起こすわけにはいかないのでしょう。
川の氾濫や竜巻などが起きれば、自然から人に対する罰として分かりやすい形にはなりますが、他の生き物にも被害が出るはず。
そうではなく、虫達がああやって人を襲うことで、人だけを排除しようというのではないかな、と思いました。
それにしても、ディーンが殺虫剤を火炎放射器のようにして使っていましたが、普通に危ないですよね……。
あれだけの虫がいると、あの程度の火ではあまり効果がなさそうに見えます。
虫はCGや作り物でしょうが、撮影は大変だっただろうなと思います。
俳優さんも大変です。
そうそう、サムがやたらと共感してディーンと言い合いする理由にもなっていたマットですが、シーズン8のサマンドリエル(アルフィー)の俳優さんが演じています。
このエピソードではまだまだ子供ですが、シーズン8では立派に成長していました。
まったく別人の役ではありますが、やはりこれだけ長くやっていると俳優さんが足らなくなってくるのかもしれませんね。
日本のドラマ、「相棒」でもたまに同じ俳優さんが別人の役で出ていることがありますし。